税金奉行の市民税解説書
住民税

神戸市の市民税の計算|税額は年間いくら?【2023年版の計算結果】

神戸市に住んでいるサラリーマンの支払う市民税の税額を計算してみました。年収200万〜800万円の場合に3.63万円〜27.2万円となります。配偶者控除や扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除がある場合も計算してみました。なお、アルバイト・パートでも正社員・派遣社員・契約社員でも年収が同じなら支払う市民税は同じです。 (2023/01/17更新)

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サラリーマンの市民税の計算の記事で市民税の計算をしましたが、 今回は神戸市に住んでいる場合の市民税を計算してみます。

なお、住民税と目的や計算方法、納付方法などの記事も書いていますので、「そもそも住民税って?」という方はよろしければそちらも合わせてご覧ください。

また、年収や家族構成などを入力して神戸市の住民税を計算する場合は神戸市の住民税の自動計算ツールが便利ですので、よろしければそちらも使ってみてください。

神戸市の市民税

市民税の計算はどの自治体でもそれほど変わらないのですが、均等割額と所得割率が微妙に違っています。

この記事では神戸市の市民税について説明します。

神戸市の市民税率

神戸市の市民税には超過課税はないので、税率は標準税率の均等割1500円、所得割6%となります。

また、兵庫県民税と神戸市民税を合計した住民税については神戸市の住民税の計算の記事をご覧ください。

なお、神戸市の住民税は全国の市&区の住民税ランキングで高い順で124位となっています。

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神戸市の市民税

続いて、以前の市民税の計算の記事を参考に年収200万〜800万円の場合の市民税を計算してみます。

給与所得控除を計算する

まずは給与所得控除を計算します。

え?給与所得控除って何ですか?
給与所得控除とは年収のうちの経費分です。
この分は税金がかからずに済みますよ。

給与所得控除とは簡単に言うと

「これだけの給料をもらっているなら、スーツを買ったりカバンを買ったり靴を買ったりして、仕事関係でこれくらいは使うよね」

という額で、税金を計算するときは給与収入からこの額を経費として引いて計算して良いことになっています。

給与所得控除はいくらくらいなんでしょう?
給与所得控除の金額は年収によって変わります。
年収が多くなるとその分控除額も大きくなりますよ。

年収ごとの給与所得控除額は

年収 給与所得控除額
55万円まで 全額
162.5万円まで 55万円
180万円まで 収入 x 40% ー 10万円
360万円まで 収入 x 30% + 8万円
660万円まで 収入 x 20% + 44万円
850万円まで 収入 x 10% + 110万円
850万円以上 195万円

となります。

年収が850万円を超えるとそれ以上増えても控除額は変わらないんですね。
そうですね。
上限額を超えると年収が850万円でも2000万円でも控除額は変わりません。

この表から年収200万〜800万円の場合の給与所得控除の額を計算するとこうなります。

年収200万円 x 30% + 8万円 = 68万円
年収300万円 x 30% + 8万円 = 98万円
年収400万円 x 20% + 44万円 = 124万円
年収500万円 x 20% + 44万円 = 144万円
年収600万円 x 20% + 44万円 = 164万円
年収700万円 x 10% + 110万円 = 180万円
年収800万円 x 10% + 110万円 = 190万円

社会保険料の支払額

次は社会保険料の支払額を調べます。

社会保険料ってなんの支払いですか?
どう税金に関係するんでしょう?
社会保険料というのは主に健康保険厚生年金雇用保険の3つです。
この支払いも住民税と所得税の控除に使えるようになっています。

健康保険は治療費を安く済ませるための保険で、病院で治療をした時に治療費の30%の支払いで済むようになります。

厚生年金は年金の上乗せ分で、厚生年金を払っているとその分支給される年金が結構上乗せされます。

雇用保険は仕事をしていない期間にお金をもらうための保険で、加入していると失業時には失業保険が、育児休業時には育児休業給付金がもらえたりします。

このあたりの社会保険料もほとんど税金のようなものなので、税金を計算する際は収入から引いて計算することができます。

社会保険料はいくらくらい支払うんでしょう?
健康保険料・厚生年金・雇用保険料で年収の14.22%くらいになるのが一般的です。

年収200万〜800万円の場合は健康保険料が年収の4.985%、厚生年金が年収の8.737%、雇用保険が年収の0.5%となるので、合計すると社会保険料は年収の14.22%ほどになります。

社会保険料の額を年収の14.22%として年間の社会保険料の目安額を計算すると

年収200万円 x 14.22% = 28.4万円
年収300万円 x 14.22% = 42.7万円
年収400万円 x 14.22% = 56.9万円
年収500万円 x 14.22% = 71.1万円
年収600万円 x 14.22% = 85.3万円
年収700万円 x 14.22% = 99.6万円
年収800万円 x 14.22% = 114万円

となります。

社会保険料は年収が増えるほど支払いも多くなるんですね。
そうですね。
健康保険料と厚生年金と雇用保険料は年収の〇〇%という計算をするので、負担額は年収に応じて増えていきます。
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市民税の基礎控除は43万円

市民税の基礎控除は43万円となっています。

市民税控除の合計額を計算する

これまでの市民税控除の合計額を計算するとこうなります。

年収200万円:給与所得控除 68万円 + 社会保険料控除 28.4万円 + 基礎控除 43万円 = 139万円
年収300万円:給与所得控除 98万円 + 社会保険料控除 42.7万円 + 基礎控除 43万円 = 184万円
年収400万円:給与所得控除 124万円 + 社会保険料控除 56.9万円 + 基礎控除 43万円 = 224万円
年収500万円:給与所得控除 144万円 + 社会保険料控除 71.1万円 + 基礎控除 43万円 = 258万円
年収600万円:給与所得控除 164万円 + 社会保険料控除 85.3万円 + 基礎控除 43万円 = 292万円
年収700万円:給与所得控除 180万円 + 社会保険料控除 99.6万円 + 基礎控除 43万円 = 323万円
年収800万円:給与所得控除 190万円 + 社会保険料控除 114万円 + 基礎控除 43万円 = 347万円

市民税の課税対象額を計算する

年収から控除額を引いて市民税の課税対象額を計算します。

年収200万円 - 市民税控除 139万円 = 60.6万円
年収300万円 - 市民税控除 184万円 = 116万円
年収400万円 - 市民税控除 224万円 = 176万円
年収500万円 - 市民税控除 258万円 = 242万円
年収600万円 - 市民税控除 292万円 = 308万円
年収700万円 - 市民税控除 323万円 = 377万円
年収800万円 - 市民税控除 347万円 = 453万円
住民税の課税対象額は年収より結構少なくなるんですね。
そうですね。
年収が増えてくると課税対象額の割合も増えますが、年収200万〜800万円くらいだと意外と税金がかかる収入は少なく済みますよ。

市民税額を計算する

課税対象額の計算が済んだので、次は税額の計算を計算します。
とうとう本題ですね!

市民税の課税対象額がわかれば市民税の金額が計算できます。

市民税率と控除額は

課税対象額 税率 控除額
195万円まで 5% なし
330万円まで 10% 9.75万円
695万円まで 20% 42.75万円
900万円まで 23% 63.6万円
1800万円まで 33% 153.6万円
4000万円まで 40% 279.6万円
4000万円以上 45% 479.6万円

なので、それぞれの年収ごとの市民税額はこのようになります。

年収200万円:所得割 60.6万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 3.63万円
年収300万円:所得割 116万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 6.98万円
年収400万円:所得割 176万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 10.6万円
年収500万円:所得割 242万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 14.5万円
年収600万円:所得割 308万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 18.5万円
年収700万円:所得割 377万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 22.6万円
年収800万円:所得割 453万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 27.2万円
所得割が税率で均等割が定額なんですね。
最後に引かれてる調整控除ってなんですか?
平成19年に所得税の税率を下げる代わりに住民税の税率を上げたのですが、その時に税金の合計額が変わらないようにするために調整控除という仕組みができました。
なんだかややこしそうですね。。
調整控除の計算は結構面倒なのですが、それほど大きい額ではありませんし、あまり気にしなくても大丈夫ですよ。
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配偶者控除がある場合の市民税

専業主婦の妻がいる場合などは配偶者控除があるので、市民税が安くなります。

なお、配偶者控除の制度は平成30年度から新しくなっていて、給与所得控除後の所得が900万円(年収1120万円)・950万円(年収1170万円)・1000万円(年収1220万円)を境に控除額が変わるようになっています。

市民税の配偶者控除は所得が900万円以下なら33万円、950万円以下なら22万円、1000万円以下なら11万円なので、それぞれの年収ごとの市民税額は

年収200万円:所得割 27.6万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 1.65万円(1.98万円の差額)
年収300万円:所得割 83.3万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 5万円(1.98万円の差額)
年収400万円:所得割 143万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 8.59万円(1.98万円の差額)
年収500万円:所得割 209万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 12.5万円(1.98万円の差額)
年収600万円:所得割 275万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 16.5万円(1.98万円の差額)
年収700万円:所得割 344万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 20.7万円(1.98万円の差額)
年収800万円:所得割 420万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 25.2万円(1.98万円の差額)

になります。

ちなみに配偶者特別控除については配偶者に150万円以上の収入がある場合は少しずつ控除が減って、201.6万円を超えると控除がなくなります。

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扶養控除がある場合の市民税

16歳以上の子供がいる場合は扶養控除もあります。

控除額は16歳から18歳までが33万円、19歳から22歳までは特定扶養親族という扱いになって45万円になります。

要するに高校生は33万円、大学生は45万円という感じですね。

23歳以上はまた33万円になりますが、70歳以上の親族の場合は控除が増えます。 控除額は、同居していれば45万円、別居であれば38万円になります。

中学生以下の場合は児童手当があるので、扶養控除はなくなります。こちらは2歳までは月額1.5万円、3歳から中学生までは月額1万円がもらえます。

たとえば専業主婦の奥さん、高校生の息子、中学生の娘がいた場合、配偶者控除33万円と扶養控除33万円で合計66万円の控除になるので市民税は

年収200万円:所得割 0円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 0円 = 1500円(3.48万円の差額)
年収300万円:所得割 50.3万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 3.02万円(3.96万円の差額)
年収400万円:所得割 110万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 6.61万円(3.96万円の差額)
年収500万円:所得割 176万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 10.6万円(3.96万円の差額)
年収600万円:所得割 242万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 14.5万円(3.96万円の差額)
年収700万円:所得割 311万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 18.7万円(3.96万円の差額)
年収800万円:所得割 387万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 23.2万円(3.96万円の差額)

となります。

中学生の娘については扶養控除はありませんが、児童手当で月額1万円=年間で12万円もらえます。

中学生以下なら児童手当をもらえるので、保育園児・幼稚園児・小学生のお子さんがいる場合も同じです。

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生命保険料控除がある場合の市民税

生命保険に加入している場合は、生命保険料の金額に応じて市民税が控除されます。

金額ごとの控除額はこのようになっています。

1.2万円まで 全額
3.2万円まで 収入 x 50% + 6000円
5.6万円まで 収入 x 25% + 1.4万円
5.6万円以上 2.8万円

生命保険文化センターの調査によると生命保険料の平均は年間20万円程度なので、その場合は生命保険料控除が2.8万円となって年収200万〜800万円の場合の市民税は

年収200万円:所得割 57.8万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 3.47万円(1680円の差額)
年収300万円:所得割 114万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 6.81万円(1680円の差額)
年収400万円:所得割 173万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 10.4万円(1680円の差額)
年収500万円:所得割 239万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 14.3万円(1680円の差額)
年収600万円:所得割 305万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 18.3万円(1680円の差額)
年収700万円:所得割 375万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 22.5万円(1680円の差額)
年収800万円:所得割 450万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 27万円(1680円の差額)

となります。

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地震保険料控除がある場合の市民税

地震保険に加入している場合も、生命保険と同じように金額に応じて市民税が控除されます。

地震保険料の金額ごとの控除額はこのようになっています。

5万円まで 収入 x 50%
5万円以上 2.5万円

地震保険保険料の平均は年間6万円程度なので、その場合は地震保険料控除が2.5万円となって年収200万〜800万円の場合の市民税は

年収200万円:所得割 58.1万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 3.48万円(1500円の差額)
年収300万円:所得割 114万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 6.83万円(1500円の差額)
年収400万円:所得割 174万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 10.4万円(1500円の差額)
年収500万円:所得割 239万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 14.4万円(1500円の差額)
年収600万円:所得割 305万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 18.3万円(1500円の差額)
年収700万円:所得割 375万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 22.5万円(1500円の差額)
年収800万円:所得割 451万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 27万円(1500円の差額)

となります。

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市民税から年収を逆算してみる

今度は逆に10万円から50万円まで10万円刻みで市民税から年収を逆算してみました。

市民税10万円 ⇒ 年収386万円:所得割 167万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 10万円
市民税20万円 ⇒ 年収640万円:所得割 334万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 20万円
市民税30万円 ⇒ 年収861万円:所得割 501万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 30万円
市民税40万円 ⇒ 年収1055万円:所得割 667万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 40万円
市民税50万円 ⇒ 年収1249万円:所得割 833万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 50万円

配偶者控除がある場合はこうなります。

市民税10万円 ⇒ 年収436万円:所得割 167万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 10万円
市民税20万円 ⇒ 年収686万円:所得割 334万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 20万円
市民税30万円 ⇒ 年収899万円:所得割 500万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 30万円
市民税40万円 ⇒ 年収1094万円:所得割 667万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 40万円
市民税50万円 ⇒ 年収1249万円:所得割 833万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 50万円

さらに高校生の子供の扶養控除があるとこうなります。

市民税10万円 ⇒ 年収486万円:所得割 167万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 10万円
市民税20万円 ⇒ 年収729万円:所得割 333万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 20万円
市民税30万円 ⇒ 年収938万円:所得割 501万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 30万円
市民税40万円 ⇒ 年収1119万円:所得割 667万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 40万円
市民税50万円 ⇒ 年収1288万円:所得割 834万円 x 6% + 均等割 1500円 - 調整控除 1500円 = 50万円
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まとめ

今回は兵庫県神戸市の市民税を計算してみました。

兵庫県の他の自治体についても計算しています。

兵庫県の各自治体の市区町村民税
神戸市、姫路市尼崎市明石市西宮市洲本市芦屋市伊丹市相生市豊岡市加古川市赤穂市西脇市宝塚市三木市高砂市川西市小野市三田市加西市篠山市養父市丹波市南あわじ市朝来市淡路市宍粟市加東市たつの市

他にも都道府県の住民税ランキング全国の市&区の住民税ランキングをまとめていますので、よろしければこちらもご覧ください。

兵庫県民税と神戸市民税を合計した住民税について知りたい方は神戸市の住民税の計算の記事をどうぞ。

また、ふるさと納税を考えている方は神戸市のふるさと納税上限額の記事を読むとお得にふるさと納税できるかもしれません。

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