住民税とは?所得税とは?計算方法や納付方法など【2024年版】
サラリーマンにとってはおなじみの住民税ですが、詳しいことはわからないけれども天引きされているという方も多いかと思います。この記事ではそんな方向けに、住民税の目的や計算方法、納付方法などをご紹介します。住民税と並んでおなじみの税金である所得税についても合わせてご紹介します。 (2024/05/31更新)
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住民税とは
まず、住民税の中身についてご紹介します。
ひとくちに住民税といってもその内容は県民税などの都道府県民税と、市民税などの市区町村民税に分かれます。
都道府県民税と市区町村民税
文字通り都道府県民税は都道府県に納める税金で、市区町村民税は市区町村に納めます。
一般的に都道府県民税の税率は4%で、市区町村民税の税率は6%なので、市区町村民税の方が都道府県民税の1.5倍ほどになります。
都道府県ごとの住民税
ただし、自治体によって少しずつ税率が違うケースもあって、例えば年収400万円の場合、都道府県民税の最も高い宮城県なら都道府県税は72,644円に、最も安い北海道、青森県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県、福井県、京都府、大阪府、徳島県、香川県、沖縄県なら都道府県税は71,444円になります。
都道府県ごとの住民税について詳しくは全国の都道府県の住民税ランキングの記事にもまとめていますので、よろしければそちらもご覧ください。
市区町村ごとの住民税
同様に、市区町村民税も場所によって少しずつ違いがあって、年収400万円の場合は、最も高い夕張市なら市区町村民税は113,972円に、最も安い名古屋市なら市区町村民税は99,183円になります。
都道府県より市区町村の方が自治体毎に特徴が出やすいので、税金が高い自治体と低い自治体の差も大きくなっていますね。
市区町村ごとの住民税について詳しくは全国の市&区の住民税ランキングの記事にもまとめていますので、よろしければそちらもご覧ください。
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住民税の目的
住民税は都市計画税などの目的税とは違って普通税なので、特定の使い道は決まっていません。
なので道路や公共施設の整備、福祉、教育などの行政サービスに幅広く使われます。
あとは面白いところだと地域振興などでしょうか。
有名どころだと、くまモン(熊本県)、ひこにゃん(彦根市)などのご当地キャラの活動費などにも住民税は使われています。
住民税の歴史
続いて住民税の歴史についてもご紹介します。
住民税の始まり
日本の住民税が始まったのは明治時代で、明治4年(1871年)の廃藩置県、明治6年(1873年)の地租改正に伴って地方税制が整備されたのが起源になります。
ただし、この頃は今のような所得に対する税金ではなく地価の3%を納めるという制度でした。
所得に対する住民税
明治21年(1888年)には市町村が所得税の付加税を課税するようになり、明治41年には府県も所得税の付加税の課税が始まります。
この頃が現在のような所得に対する税金としての住民税の始まりになります。
その後は戦費調達のために税制改革が行われ、結果として増税が続きます。
昭和15年(1940年)には源泉徴収制度が始まり、現在のように給料から税金の天引きされるようになりました。
戦後の住民税
戦後の昭和21年(1946年)には日本国憲法が公布されて教育の義務、勤労の義務と合わせて納税の義務が定められます。
その後は税率や控除の仕組みが少しずつ変化していき、平成に入ると平成19年(2007年)に国から地方への税源移譲が行われて、所得税の税率が下がる代わりに住民税の税率が上がります。
こうして、現在の所得に対して10%の住民税を納めるという制度になっています。
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所得税とは
次は住民税の計算方法を説明、と行きたいところですが、その前に住民税と並んで馴染みのある所得税についてもご紹介します。
所得税は所得に応じて国に納める税金で、住民税のように地域による税額の違いはありません。
所得税の特徴はやはり累進課税で、最も安い税率だと5%ですが、最も高い税率になると45%になります。
住民税の10%と合わせると最高55%ということになり、稼いだお金の半分以上が取られてしまうことになってしまいます。。
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所得税の目的
所得税も住民税と同様に普通税なので、特定の使い道は決まっていません。
なので、こちらも国の様々な行政サービスに使われます。
身近なところだと医療や年金などの社会保障費や、道路・水道工事などの公共事業費に使われています。
また、都道府県や市区町村にも地方交付税という形で分配しているため、地域の公共施設・福祉・教育などにも間接的には所得税の収入が使われています。
他には自衛隊の活動に使われる防衛費などもわかりやすいですね。
所得税による負担の公平性
最初に説明した通り所得税は累進課税となっています。
これは所得の高い人ほど税率が高くなるということで、結果として高所得者から低所得者への富の再分配が行われることになります。
これは高所得者と低所得者の格差の縮小につながり、社会の安定という意味でも効果があります。
ただし、デメリットもあって、最高税率になると住民税と合わせて所得の半分以上が徴収されてしまうことから、節税や脱税が行われやすくなります。
また、高所得者がたくさん稼ぐことで所得税による税収が増えることになりますが、税率が高いことから逆に高所得者の勤労意欲が削がれてしまう場合もあります。
所得税の控除
税負担の公平性ということでは控除も大事な役割を果たします。
例えば配偶者控除や扶養控除は家族が多い人の税金を少なくする仕組みですし、医療費控除では医療費が多くかかる人の税負担を軽くしています。
また、社会保険料や生命保険料、地震保険料といった保険料にも控除の仕組みが用意されていて、不測の事態への備えを推奨するといった役割も果たしています。
なお、住民税の場合もほぼ所得税と同じ仕組みで控除されるようになっています。
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所得税の歴史
住民税と同様に所得税の歴史についてもご紹介します。
所得税の始まり
日本で所得税の仕組みができたのは明治20年(1887年)で、資産の多い人と少ない人の税負担の均衡のために導入されました。
所得税が始まる前は地租という税制が中心で毎年税金の収入は一定だったのですが、所得税を導入することで経済発展が増収へと繋がるようになります。
なお、当時の所得税は年間所得額が300円以上ある人に最高3%の税率が課されるというもので、対象となるのはごく一部の人だったため「富裕税」や「名誉税」とも呼ばれていました。
所得税の課税対象者の拡大
明治32年(1899年)には所得税の制度が改正されて、個人所得だけではなく法人所得や債券の利子にも課税されるようになります。
この結果、所得税の課税対象者が増えて、所得税による税収も大幅に増えることになります。
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控除と超過累進課税の導入
大正時代になると各種控除と超過累進税率という仕組みが導入されます。
当時はいわゆるサラリーマンが増えている時期で、サラリーマンの税負担軽減のために勤労所得の控除や少額所得者の特別控除などの仕組みが作られました。
また、それまでは所得が一定額以上になると税率が変わるという仕組みでしたが、超過累進税率となることで超過部分に高い税率を課すということになり、より公平に課税できるようになっています。
各種控除の追加による負担軽減
大正9年(1920年)には戦後恐慌が起こり、税負担軽減のために扶養控除の仕組みができます。
その3年後の大正12年(1923年)には関東大震災が起こり、保険の重要性が見直されて生命保険料控除が導入されました。
その後は配偶者控除や年金保険・介護保険の控除なども導入されることになります。
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昭和の所得税、確定申告の始まり
昭和15年(1940年)には源泉徴収制度が始まり、住民税と同じように給料から所得税が天引きされるようになります。
さらに戦後の昭和22年(1947年)になると申告納税制度が始まり、納税者が自ら確定申告を行うようになります。
それまでは所得税調査委員という役割の人がいて、その人が所得税の額を計算していましたが、申告納税制度が始まることで課税する側の国ではなく納税する側の国民が所得税額を計算することになりました。
平成の所得税
その後も所得税の仕組みは少しずつ変わり、平成に入ってからだと平成19年(2007年)の国から地方への税源移譲で住民税の税率が上がる代わりに所得税の税率が下がっています。
住民税と所得税の計算
住民税と所得税の歴史がわかったところで、いよいよ税額の計算をしてみます。
なお、住民税の税率は標準税率である均等割5000円、所得割10%で計算してみます。
年収については年収300万〜600万円の場合で計算してみました。
給与所得控除を計算する
まずは給与所得控除を計算します。
この分は税金がかからずに済みますよ。
給与所得控除とは簡単に言うと
「これだけの給料をもらっているなら、スーツを買ったりカバンを買ったり靴を買ったりして、仕事関係でこれくらいは使うよね」
という額で、税金を計算するときは給与収入からこの額を経費として引いて計算して良いことになっています。
年収が多くなるとその分控除額も大きくなりますよ。
年収ごとの給与所得控除額は
年収 | 給与所得控除額 |
---|---|
55万円まで | 全額 |
162.5万円まで | 55万円 |
180万円まで | 収入 x 40% ー 10万円 |
360万円まで | 収入 x 30% + 8万円 |
660万円まで | 収入 x 20% + 44万円 |
850万円まで | 収入 x 10% + 110万円 |
850万円以上 | 195万円 |
となります。
上限額を超えると年収が850万円でも2000万円でも控除額は変わりません。
この表から年収300万〜600万円の場合の給与所得控除の額を計算するとこうなります。
年収300万円 x 30% + 8万円 = 98万円
年収400万円 x 20% + 44万円 = 124万円
年収500万円 x 20% + 44万円 = 144万円
年収600万円 x 20% + 44万円 = 164万円
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社会保険料の支払額
次は社会保険料の支払額を調べます。
どう税金に関係するんでしょう?
この支払いも住民税と所得税の控除に使えるようになっています。
健康保険は治療費を安く済ませるための保険で、病院で治療をした時に治療費の30%の支払いで済むようになります。
厚生年金は年金の上乗せ分で、厚生年金を払っているとその分支給される年金が結構上乗せされます。
雇用保険は仕事をしていない期間にお金をもらうための保険で、加入していると失業時には失業保険が、育児休業時には育児休業給付金がもらえたりします。
このあたりの社会保険料もほとんど税金のようなものなので、税金を計算する際は収入から引いて計算することができます。
年収300万〜600万円の場合は健康保険料が年収の4.985%、厚生年金が年収の8.737%、雇用保険が年収の0.5%となるので、合計すると社会保険料は年収の14.22%ほどになります。
社会保険料の額を年収の14.22%として年間の社会保険料の目安額を計算すると
年収300万円 x 14.22% = 42.7万円
年収400万円 x 14.22% = 56.9万円
年収500万円 x 14.22% = 71.1万円
年収600万円 x 14.22% = 85.3万円
となります。
健康保険料と厚生年金と雇用保険料は年収の〇〇%という計算をするので、負担額は年収に応じて増えていきます。
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住民税と所得税の基礎控除
住民税と所得税には基礎控除があります。
住民税と所得税ではそれぞれ違う控除額となっています。
基礎控除も税金を計算する時に収入から引くことができます。
令和2年以降の住民税と所得税の基礎控除額はこのようになっています。
所得金額 | 基礎控除 (住民税) |
基礎控除 (所得税) |
---|---|---|
2400万円まで | 43万円 | 48万円 |
2450万円まで | 29万円 | 32万円 |
2500万円まで | 15万円 | 16万円 |
2500万円以上 | 0円 | 0円 |
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住民税と所得税の控除合計額を計算する
続いて給与所得控除、社会保険料控除、基礎控除を合計して住民税と所得税の控除合計額を計算します。
年収300万〜600万円の場合の住民税控除の合計額を計算するとこのようになります。
年収300万円:給与所得控除 98万円 + 社会保険料控除 42.7万円 + 基礎控除 43万円 = 184万円
年収400万円:給与所得控除 124万円 + 社会保険料控除 56.9万円 + 基礎控除 43万円 = 224万円
年収500万円:給与所得控除 144万円 + 社会保険料控除 71.1万円 + 基礎控除 43万円 = 258万円
年収600万円:給与所得控除 164万円 + 社会保険料控除 85.3万円 + 基礎控除 43万円 = 292万円
また、所得税控除の合計額はこのようになります。
年収300万円:給与所得控除 98万円 + 社会保険料控除 42.7万円 + 基礎控除 48万円 = 189万円
年収400万円:給与所得控除 124万円 + 社会保険料控除 56.9万円 + 基礎控除 48万円 = 229万円
年収500万円:給与所得控除 144万円 + 社会保険料控除 71.1万円 + 基礎控除 48万円 = 263万円
年収600万円:給与所得控除 164万円 + 社会保険料控除 85.3万円 + 基礎控除 48万円 = 297万円
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住民税と所得税の課税対象額を計算する
年収から控除額を引いて住民税の課税対象額を計算するとこうなります。
年収300万円 - 住民税控除 184万円 = 116万円
年収400万円 - 住民税控除 224万円 = 176万円
年収500万円 - 住民税控除 258万円 = 242万円
年収600万円 - 住民税控除 292万円 = 308万円
所得税の課税対象額はこのようになります。
年収300万円 - 所得税控除 189万円 = 111万円
年収400万円 - 所得税控除 229万円 = 171万円
年収500万円 - 所得税控除 263万円 = 237万円
年収600万円 - 所得税控除 297万円 = 303万円
年収が増えてくると課税対象額の割合も増えますが、年収300万〜600万円くらいだと意外と税金がかかる収入は少なく済みますよ。
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住民税額を計算する
住民税額は、計算した課税対象額に税率10%をかけて均等割5000円を足して調整控除を引くと計算できます。
なお、住民税の税率は自治体によって微妙に変わってくるのですが、今回の記事では標準税率の均等割と所得割で計算します。
年収300万円:所得割 116万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 11.9万円
年収400万円:所得割 176万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 17.9万円
年収500万円:所得割 242万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 24.4万円
年収600万円:所得割 308万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 31万円
最後に引かれてる調整控除ってなんですか?
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所得税額を計算する
所得税については課税対象額ごとの税率と控除額が
課税対象額 | 税率 | 控除額 |
195万円まで | 5% | なし |
330万円まで | 10% | 9.75万円 |
695万円まで | 20% | 42.75万円 |
900万円まで | 23% | 63.6万円 |
1800万円まで | 33% | 153.6万円 |
4000万円まで | 40% | 279.6万円 |
4000万円以上 | 45% | 479.6万円 |
となっています。
それぞれの年収ごとの所得税額を計算するとこのようになります。
年収300万円:課税対象額 111万円 x 5% - 0円 = 5.57万円
年収400万円:課税対象額 171万円 x 5% - 0円 = 8.56万円
年収500万円:課税対象額 237万円 x 10% - 9.75万円 = 13.9万円
年収600万円:課税対象額 303万円 x 10% - 9.75万円 = 20.5万円
なお、このように収入が多い人ほど税率が高くなる仕組みのことを累進課税と言います。
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住民税と所得税の合計
住民税額と所得税額の合計はこのようになります。
年収300万円:住民税 11.9万円 + 所得税 5.57万円= 17.5万円
年収400万円:住民税 17.9万円 + 所得税 8.56万円= 26.4万円
年収500万円:住民税 24.4万円 + 所得税 13.9万円= 38.4万円
年収600万円:住民税 31万円 + 所得税 20.5万円= 51.5万円
こんなにあったのか。。
ただ、住民税と所得税には税金を減らす仕組みがいくつかあるので、次はそちらを見ていきますね。
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配偶者控除がある場合の住民税と所得税
次は配偶者控除がある場合の計算をしてみます。
専業主婦の妻がいる場合などは配偶者控除が使えて住民税と所得税が安くなります。
配偶者控除の制度は平成30年度から新しくなっていて、給与所得控除後の夫の所得が900万円(年収1120万円)・950万円(年収1170万円)・1000万円(年収1220万円)を境に控除額が変わるようになっています。
住民税の配偶者控除は所得が900万円以下なら33万円、950万円以下なら22万円、1000万円以下なら11万円となるので、それぞれの年収ごとの住民税額はこのようになります。
年収300万円:所得割 83.3万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 8.58万円(3.3万円の差額)
年収400万円:所得割 143万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 14.6万円(3.3万円の差額)
年収500万円:所得割 209万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 21.1万円(3.3万円の差額)
年収600万円:所得割 275万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 27.7万円(3.3万円の差額)
また、所得税の配偶者控除は所得が900万円以下なら38万円、950万円以下なら26万円、1000万円以下なら13万円となるので、所得税額はこのようになります。
年収300万円:課税対象額 73.3万円 x 5% - 0円 = 3.67万円(1.9万円の差額)
年収400万円:課税対象額 133万円 x 5% - 0円 = 6.66万円(1.9万円の差額)
年収500万円:課税対象額 199万円 x 10% - 9.75万円 = 10.1万円(3.8万円の差額)
年収600万円:課税対象額 265万円 x 10% - 9.75万円 = 16.7万円(3.8万円の差額)
配偶者控除のある場合の住民税と所得税を計算するとこのようになります。
年収300万円:住民税 8.58万円 + 所得税 3.67万円= 12.3万円(5.2万円の差額)
年収400万円:住民税 14.6万円 + 所得税 6.66万円= 21.2万円(5.2万円の差額)
年収500万円:住民税 21.1万円 + 所得税 10.1万円= 31.3万円(7.1万円の差額)
年収600万円:住民税 27.7万円 + 所得税 16.7万円= 44.4万円(7.1万円の差額)
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扶養控除がある場合の住民税と所得税
続いて扶養控除がある場合の税金を計算してみます。
扶養控除では子供を養っている人の税金の負担を減らします。
子供が16歳以上ならこの仕組みが使えますよ。
扶養控除額も住民税と所得税で違っていて、年齢ごとにこのようになっています。
年齢 | 扶養控除 (住民税) |
扶養控除 (所得税) |
---|---|---|
15歳まで | 0円 | 0円 |
18歳まで | 33万円 | 38万円 |
19〜22歳まで | 45万円 | 63万円 |
23〜69歳まで | 33万円 | 38万円 |
70歳以上(同居) | 45万円 | 58万円 |
70歳以上(別居) | 38万円 | 48万円 |
子供の場合は中学生以下、高校生、大学生で分かれているようなイメージですね。
児童手当は2歳までは月額1.5万円、3歳から中学生までは月額1万円がもらえます。これは大きいですね。
たとえば専業主婦の奥さん、高校生の息子、中学生の娘がいた場合、住民税の配偶者控除33万円と扶養控除33万円で合計66万円の控除になるので住民税はこのようになります。
年収300万円:所得割 50.3万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 5.28万円(6.6万円の差額)
年収400万円:所得割 110万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 11.3万円(6.6万円の差額)
年収500万円:所得割 176万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 17.8万円(6.6万円の差額)
年収600万円:所得割 242万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 24.4万円(6.6万円の差額)
所得税の場合は配偶者控除38万円と扶養控除38万円で合計76万円の控除になるのでこのようになります。
年収300万円:課税対象額 35.3万円 x 5% - 0円 = 1.77万円(3.8万円の差額)
年収400万円:課税対象額 95.1万円 x 5% - 0円 = 4.76万円(3.8万円の差額)
年収500万円:課税対象額 161万円 x 5% - 0円 = 8.04万円(5.89万円の差額)
年収600万円:課税対象額 227万円 x 10% - 9.75万円 = 12.9万円(7.6万円の差額)
この場合の住民税と所得税の合計額はこのようになります。
年収300万円:所得税 1.77万円 + 住民税 5.28万円 = 7.05万円(10.4万円の差額)
年収400万円:所得税 4.76万円 + 住民税 11.3万円 = 16万円(10.4万円の差額)
年収500万円:所得税 8.04万円 + 住民税 17.8万円 = 25.9万円(12.5万円の差額)
年収600万円:所得税 12.9万円 + 住民税 24.4万円 = 37.3万円(14.2万円の差額)
また、中学生の娘については扶養控除はありませんが、児童手当で月額1万円=年間で12万円もらえます。
中学生以下なら児童手当をもらえるので、保育園児・幼稚園児・小学生のお子さんがいる場合も同じです。
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手取り額を計算する
年収300万〜600万円の場合の手取り額を計算するとこのようになります。
年収300万円:年収300万円 - 社会保険料 42.7万円 - 所得税 5.57万円 - 住民税 11.9万円 = 240万円
年収400万円:年収400万円 - 社会保険料 56.9万円 - 所得税 8.56万円 - 住民税 17.9万円 = 317万円
年収500万円:年収500万円 - 社会保険料 71.1万円 - 所得税 13.9万円 - 住民税 24.4万円 = 391万円
年収600万円:年収600万円 - 社会保険料 85.3万円 - 所得税 20.5万円 - 住民税 31万円 = 463万円
配偶者控除がある場合の手取り額はこのようになります。
年収300万円:年収300万円 - 社会保険料 42.7万円 - 所得税 3.67万円 - 住民税 8.58万円 = 245万円(5.2万円の差額)
年収400万円:年収400万円 - 社会保険料 56.9万円 - 所得税 6.66万円 - 住民税 14.6万円 = 322万円(5.2万円の差額)
年収500万円:年収500万円 - 社会保険料 71.1万円 - 所得税 10.1万円 - 住民税 21.1万円 = 398万円(7.1万円の差額)
年収600万円:年収600万円 - 社会保険料 85.3万円 - 所得税 16.7万円 - 住民税 27.7万円 = 470万円(7.1万円の差額)
さらに高校生の子どもの扶養控除がある場合はこんな感じになります。
年収300万円:年収300万円 - 社会保険料 42.7万円 - 所得税 1.77万円 - 住民税 5.28万円 = 250万円(10.4万円の差額)
年収400万円:年収400万円 - 社会保険料 56.9万円 - 所得税 4.76万円 - 住民税 11.3万円 = 327万円(10.4万円の差額)
年収500万円:年収500万円 - 社会保険料 71.1万円 - 所得税 8.04万円 - 住民税 17.8万円 = 403万円(12.5万円の差額)
年収600万円:年収600万円 - 社会保険料 85.3万円 - 所得税 12.9万円 - 住民税 24.4万円 = 477万円(14.2万円の差額)
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住民税から年収を逆算してみる
今度は逆に10万円から50万円まで10万円刻みで住民税から年収を逆算してみました。
住民税10万円 ⇒ 年収267万円:所得割 97.9万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 10万円
住民税20万円 ⇒ 年収433万円:所得割 198万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 20万円
住民税30万円 ⇒ 年収585万円:所得割 298万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 30万円
住民税40万円 ⇒ 年収727万円:所得割 398万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 40万円
住民税50万円 ⇒ 年収858万円:所得割 498万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 50万円
配偶者控除がある場合はこうなります。
住民税10万円 ⇒ 年収326万円:所得割 97.8万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 10万円
住民税20万円 ⇒ 年収483万円:所得割 198万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 20万円
住民税30万円 ⇒ 年収635万円:所得割 298万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 30万円
住民税40万円 ⇒ 年収771万円:所得割 398万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 40万円
住民税50万円 ⇒ 年収896万円:所得割 498万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 50万円
さらに高校生の子供の扶養控除があるとこうなります。
住民税10万円 ⇒ 年収381万円:所得割 97.6万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 10万円
住民税20万円 ⇒ 年収533万円:所得割 198万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 20万円
住民税30万円 ⇒ 年収682万円:所得割 298万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 30万円
住民税40万円 ⇒ 年収814万円:所得割 398万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 40万円
住民税50万円 ⇒ 年収935万円:所得割 498万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 50万円
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所得税から年収を逆算してみる
住民税に続いて所得税からも年収を逆算してみます。
所得税10万円 ⇒ 年収441万円:課税対象額 198万円 x 10% - 9.75万円 = 10万円
所得税20万円 ⇒ 年収593万円:課税対象額 298万円 x 10% - 9.75万円 = 20万円
所得税30万円 ⇒ 年収689万円:課税対象額 364万円 x 20% - 42.8万円 = 30万円
所得税40万円 ⇒ 年収755万円:課税対象額 414万円 x 20% - 42.8万円 = 40万円
所得税50万円 ⇒ 年収821万円:課税対象額 464万円 x 20% - 42.8万円 = 50万円
配偶者控除がある場合はこうなります。
所得税10万円 ⇒ 年収498万円:課税対象額 198万円 x 10% - 9.75万円 = 10万円
所得税20万円 ⇒ 年収650万円:課税対象額 298万円 x 10% - 9.75万円 = 20万円
所得税30万円 ⇒ 年収739万円:課税対象額 364万円 x 20% - 42.8万円 = 30万円
所得税40万円 ⇒ 年収805万円:課税対象額 414万円 x 20% - 42.8万円 = 40万円
所得税50万円 ⇒ 年収869万円:課税対象額 464万円 x 20% - 42.8万円 = 50万円
さらに高校生の子供の扶養控除があるとこうなります。
所得税10万円 ⇒ 年収556万円:課税対象額 198万円 x 10% - 9.75万円 = 10万円
所得税20万円 ⇒ 年収702万円:課税対象額 298万円 x 10% - 9.75万円 = 20万円
所得税30万円 ⇒ 年収789万円:課税対象額 364万円 x 20% - 42.8万円 = 30万円
所得税40万円 ⇒ 年収855万円:課税対象額 414万円 x 20% - 42.8万円 = 40万円
所得税50万円 ⇒ 年収913万円:課税対象額 464万円 x 20% - 42.8万円 = 50万円
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住民税の納付方法
税金の計算が終わったところで、次は納付方法です。
まず住民税は年間の所得から税額を計算して、翌年の6月から納付するという形になります。
サラリーマンの住民税の納付方法
サラリーマンの場合は普通は源泉徴収で給料から天引きという形で住民税を払うということになりますが、1年目の場合は前年の所得がないので住民税の支払いはありません。
2年目の6月から前年分の住民税を給料からの天引きで支払うことになります。
なお、1年分の住民税を12回に分けて納付することになるので、1回あたりの納付額は年間の住民税の1/12となります。
なお、所得税とは違って住民税はボーナスからの天引きはありません。
住民税を自分で納める場合の納付方法
個人事業主の場合など、給与所得ではない場合は自分で住民税を納めることになります。
住民税の納付方法には
- 納付書で納付する
- 銀行口座から振替納税する
の2種類があります。
納付書で住民税を払う
納付書で住民税を払う場合は、確定申告で決まった住民税の納付書が届くのでその納付書をコンビニ等に持って行って住民税を納付します。
なお、納付の方法は一括納付か4期分割納付が選べます。
一括納付の場合は6月末までに住民税全額を納付し、分割納付の場合は第1期分を6月末まで、第2期分を8月末まで、第3期分を10月末まで、第4期分を1月末までに納付します。
なお、住民税の納付先は市区町村なので、納付書も市区町村から送られます。
住民税を振替納税する
市区町村が口座振替に対応していれば銀行口座からの振替で住民税を納付できます。
この場合も一括納付か分割納付かは選べます。
通常は各期の納期限日に、各期別ごとの税額が引き落とされる期別振替(分割納付)になりますが、口座振替申し込み用紙の「全期前納」の欄をチェックしておけば一括納付にできます。
全期前納にした場合は第1期の納期限日に、年度内の税金が一括して引き落とされます。
給与と給与以外の両方の所得がある場合の住民税
給与収入と給与以外の収入がある場合は天引きにするか自分で納付するかを選べます。
ただし、天引きにした場合は副業収入が会社に知られるということになるので、その点は注意しておいた方が良いかもしれません。
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所得税の納付方法
住民税に続いて次は所得税の納付方法をご紹介します。
サラリーマンの所得税の納付方法
サラリーマンの場合は所得税も源泉徴収で給料から天引きとなりますが、住民税と違って前年ではなくその年の所得税として天引きされます。
所得税の金額は所得に応じて決まるので最後の月の給料が出るまで決まらないのですが、毎月の給料やボーナスに対して一定の税率で所得税を徴収して、年末調整で本来の所得税との差分を調整するという仕組みになっています。
所得税の源泉徴収では控除も計算されていないので、年末調整では色々な控除の証明書を会社に提出して控除後の所得税の額を計算してもらうことになります。
控除の額によっては12月の手取りが他の月の倍近く、なんてこともあったりします。
所得税を自分で納める場合の納付方法
住民税と同様に個人事業主などの場合は所得税も自分で納める必要があります。
納付の方法は主に
- 納付書で窓口納付する
- 銀行口座から振替納税する
- 電子納税する
という方法があります。
住民税の場合は納付書か口座振替の2種類でしたが、所得税の場合は電子納税も可能となっています。
納付書で所得税を払う
所得税の納付書は住民税のように自宅に届くわけではないので、自分で記入する必要があります。
また、所得税は住民税とは違って全額を3月末までに納付する必要があります。
所得税の金額は確定申告で決まるので、確定申告の提出後に税務署か銀行等に行って現金に納付書を添えて全額を納付するということになります。
ただし、所得税が30万円以下の場合はコンビニで支払うこともできます。
この場合は確定申告時にコンビニ納付希望と伝えるとバーコード付き納付書が発行されるので、その納付書を使ってコンビニで納付することになります。
口座振替で所得税を払う
口座振替依頼書を提出することで指定した講座からの引き落としで所得税を払うこともできます。
この方法が税務署としても納税者としても一番楽なので、ほとんどの人は口座振替にしているかと思います。
電子納税する
電子納税を使って自宅などから所得税を納税することもできます。
電子納税の方法には
- ダイレクト納付
- 登録方式の電子納税
- 入力方式の電子納税
の3種類があります。
ダイレクト納付での電子納税
ダイレクト納付の場合は、まず最初に税務署にダイレクト納付の届出を済ませておきます。
届出の処理が済めば、e-Taxから納付の手続きをすることで、登録した口座からの振替で所得税の納付ができるようになります。
登録方式での電子納税
登録方式で電子納税する場合は、まずe-Taxソフトなどで納付情報データを作成してからe-Taxに送信して事前に登録します。
そうすると納付区分番号が取得できるので、あとはこの番号を使ってインターネットバンキングなどで所得税を納付します。
入力方式での電子納税
入力方式で電子納税する場合は納付情報の登録は必要ありません。
こちらはe-Taxソフトも不要でインターネットバンキングなどで直接納付するだけなので、ダイレクト納付や登録方式での納付より簡単に所得税を納付することができます。
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都道府県ごとの住民税
住民税は都道府県・市区町村ごとに微妙に変わってくるので都道府県ごとの住民税の記事もまとめてみました。
よろしければこちらもご覧ください。
- 都道府県ごとの住民税の記事
- 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
年収ごとの手取りと住民税&所得税の計算
年収ごとの手取り、住民税、所得税の金額もそれぞれ計算してみました。 よろしければこちらもどうぞ。
- 年収100万円以上の場合
- 100万円、110万円、120万円、130万円、140万円、150万円、160万円、170万円、180万円、190万円
- 年収200万円以上の場合
- 200万円、210万円、220万円、230万円、240万円、250万円、260万円、270万円、280万円、290万円
- 年収300万円以上の場合
- 300万円、310万円、320万円、330万円、340万円、350万円、360万円、370万円、380万円、390万円
- 年収400万円以上の場合
- 400万円、410万円、420万円、430万円、440万円、450万円、460万円、470万円、480万円、490万円
- 年収500万円以上の場合
- 500万円、510万円、520万円、530万円、540万円、550万円、560万円、570万円、580万円、590万円
- 年収600万円以上の場合
- 600万円、610万円、620万円、630万円、640万円、650万円、660万円、670万円、680万円、690万円
- 年収700万円以上の場合
- 700万円、710万円、720万円、730万円、740万円、750万円、760万円、770万円、780万円、790万円
- 年収800万円以上の場合
- 800万円、810万円、820万円、830万円、840万円、850万円、860万円、870万円、880万円、890万円
- 年収900万円以上の場合
- 900万円、910万円、920万円、930万円、940万円、950万円、960万円、970万円、980万円、990万円
- 年収1000万円以上の場合
- 1000万円、1100万円、1200万円、1300万円、1400万円、1500万円、1600万円、1700万円、1800万円、1900万円、2000万円
まとめ
今回は住民税と所得税の計算方法や目的、納付方法などをご紹介しました。
また、住民税を納めるならふるさと納税をするとお得です。
ふるさと納税の上限額の計算もしてみたので、よろしければこちらもご覧ください。
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