月収61万円の母子家庭の手取りと住民税＆所得税はいくら？【2024年版の計算結果】

月収61万円の母子家庭（シングルマザー）やアルバイト・パートなどの場合の住民税（市民税＋都道府県民税）と所得税と手取りの目安額を令和6年度の税制で計算してみました。月収が額面61万円でボーナスなしの場合で月額の住民税が3.15万円、所得税が2.6万円で手取りは46.6万円となります。扶養控除がある場合や、住宅ローンの目安も調べています。 (2024/05/31更新)

以前の記事で月収ごとの母子家庭の手取りと住民税＆所得税の計算をしましたが、今回は月収61万円に絞って住民税（市県民税）と所得税を計算してみます。

最初に計算結果を紹介すると、月収61万円の場合の月あたりの住民税は3.15万円、所得税は2.6万円、社会保険料は8.68万円で手取りは46.6万円となります。

こちらは独身の場合ですが、結婚していたり 子供がいたりすると税金が控除されて安くなります。

月収61万円の場合の家族構成ごとの税金や手取り額を計算してみるとこのようになります。

月収61万円の家族の月々の手取りと住民税＆所得税

ちなみにこちらは子供が高校生の場合で計算しています。

1万円刻みで月収61万円前後の税金を計算するとこのようになります。

10万円刻みだとこうなります。

また、年収や家族構成などを入力して税金を計算する場合は住民税・所得税・社会保険料・手取り額の自動計算ツールが便利ですので、そちらを使ってみてください。

なお、住民税の税率は自治体によって微妙に変わってくるのですが、今回の記事では標準税率である均等割5000円、所得割10％で計算してみます。

住民税と所得税の目的や計算方法、納付方法などの記事も書いていますので、「そもそも住民税とか所得税って？」という方はよろしければそちらも合わせてご覧ください。

ここからは月収61万円の場合の住民税と所得税の計算内容を詳しく説明します。

年収を計算する

まずは月収61万円を年収に換算します。年収は月収の12ヶ月分なので

月収61万円 x 12ヶ月 = 年収732万円

となります。

なお年収ごとの母子家庭の手取りと住民税＆所得税の計算もしていますので、よろしければそちらもご覧ください。

月収61万円の場合の月給

月収は年収を12ヶ月で割った額になりますが、月給は月々支払われる給料の額になります。

ボーナスなしなら月収は額面の月給と同じ額になりますが、ボーナスが4.4ヶ月分あるとすると月収61万円の場合の月給はこうなります。

月収61万円：年収732万円 ÷ (基本給12ヶ月 + ボーナス4.4ヶ月) = 月給44.6万円

給与所得控除を計算する

まずは給与所得控除を計算します。

給与所得控除とは簡単に言うと

「これだけの給料をもらっているなら、スーツを買ったりカバンを買ったり靴を買ったりして、仕事関係でこれくらいは使うよね」

という額で、税金を計算するときは給与収入からこの額を経費として引いて計算して良いことになっています。

年収ごとの給与所得控除額は

となります。

この表から月収61万円の場合の給与所得控除の額を計算するとこうなります。

額面で61万円(賞与なし)：年収732万円 x 10％ ＋ 110万円 = 183万円
額面で61万円(賞与あり)：年収1000万円 x 0％ ＋ 195万円 = 195万円
手取り61万円(賞与なし)：年収1015万円 x 0％ ＋ 195万円 = 195万円
手取り61万円(賞与あり)：年収1497万円 x 0％ ＋ 195万円 = 195万円

母子家庭の社会保険料の支払額

次は社会保険料の支払額を調べます。

健康保険は治療費を安く済ませるための保険で、病院で治療をした時に治療費の３０％の支払いで済むようになります。

厚生年金は年金の上乗せ分で、厚生年金を払っているとその分支給される年金が結構上乗せされます。

雇用保険は仕事をしていない期間にお金をもらうための保険で、加入していると失業時には失業保険が、育児休業時には育児休業給付金がもらえたりします。

このあたりの社会保険料もほとんど税金のようなものなので、税金を計算する際は収入から引いて計算することができます。

月収61万円の場合は健康保険料が年収の4.985％、厚生年金が年収の8.737％、雇用保険が年収の0.5％となるので、合計すると社会保険料は年収の14.22％ほどになります。

社会保険料の額を年収の14.22％として年間の社会保険料の目安額を計算すると

額面で61万円(賞与なし)：年収732万円 x 14.22％ = 104万円
額面で61万円(賞与あり)：年収1000万円 x 14.22％ = 142万円
手取り61万円(賞与なし)：年収1015万円 x 14.22％ = 144万円
手取り61万円(賞与あり)：年収1497万円 x 14.22％ = 213万円

となります。

住民税と所得税の基礎控除

住民税と所得税には基礎控除があります。

基礎控除も税金を計算する時に収入から引くことができます。

令和２年以降の住民税と所得税の基礎控除額はこのようになっています。

母子家庭の寡婦控除

夫と死別または離婚している母子家庭の場合には寡婦控除が使えます。

住民税の寡婦控除額は26万円で、上乗せ後は30万円となります。

一方、所得税の基礎控除額は住民税より1万円高い27万円で、上乗せ後は35万円となっています。

母子家庭で月収61万円の場合の寡婦控除の額はこのようになります。

住民税と所得税の控除合計額を計算する

続いて給与所得控除、社会保険料控除、基礎控除を合計して住民税と所得税の控除合計額を計算します。

月収61万円の場合の住民税控除の合計額を計算するとこのようになります。

額面で61万円(賞与なし)：年収732万円：給与所得控除 183万円 + 社会保険料控除 104万円 + 基礎控除 43万円 + 寡婦控除 26万円 = 356万円
額面で61万円(賞与あり)：年収1000万円：給与所得控除 195万円 + 社会保険料控除 142万円 + 基礎控除 43万円 + 寡婦控除 26万円 = 406万円
手取り61万円(賞与なし)：年収1015万円：給与所得控除 195万円 + 社会保険料控除 144万円 + 基礎控除 43万円 + 寡婦控除 26万円 = 408万円
手取り61万円(賞与あり)：年収1497万円：給与所得控除 195万円 + 社会保険料控除 213万円 + 基礎控除 43万円 + 寡婦控除 26万円 = 477万円

また、所得税控除の合計額はこのようになります。

額面で61万円(賞与なし)：年収732万円：給与所得控除 183万円 + 社会保険料控除 104万円 + 基礎控除 48万円 + 寡婦控除 27万円 = 362万円
額面で61万円(賞与あり)：年収1000万円：給与所得控除 195万円 + 社会保険料控除 142万円 + 基礎控除 48万円 + 寡婦控除 27万円 = 412万円
手取り61万円(賞与なし)：年収1015万円：給与所得控除 195万円 + 社会保険料控除 144万円 + 基礎控除 48万円 + 寡婦控除 27万円 = 414万円
手取り61万円(賞与あり)：年収1497万円：給与所得控除 195万円 + 社会保険料控除 213万円 + 基礎控除 48万円 + 寡婦控除 27万円 = 483万円

住民税と所得税の課税対象額を計算する

年収から控除額を引いて住民税の課税対象額を計算するとこうなります。

額面で61万円(賞与なし)：年収732万円 - 住民税控除 356万円 = 376万円
額面で61万円(賞与あり)：年収1000万円 - 住民税控除 406万円 = 594万円
手取り61万円(賞与なし)：年収1015万円 - 住民税控除 408万円 = 607万円
手取り61万円(賞与あり)：年収1497万円 - 住民税控除 477万円 = 1020万円

所得税の課税対象額はこのようになります。

額面で61万円(賞与なし)：年収732万円 - 所得税控除 362万円 = 370万円
額面で61万円(賞与あり)：年収1000万円 - 所得税控除 412万円 = 588万円
手取り61万円(賞与なし)：年収1015万円 - 所得税控除 414万円 = 601万円
手取り61万円(賞与あり)：年収1497万円 - 所得税控除 483万円 = 1010万円

住民税額を計算する

住民税額は、計算した課税対象額に税率10％をかけて均等割5000円を足して調整控除を引くと計算できます。

なお、住民税の税率は自治体によって微妙に変わってくるのですが、今回の記事では標準税率の均等割と所得割で計算します。

額面で61万円(賞与なし)：所得割 376万円 x 10％ ＋ 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 年額37.8万円 = 月額3.15万円
額面で61万円(賞与あり)：所得割 594万円 x 10％ ＋ 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 年額59.7万円 = 月額4.97万円
手取り61万円(賞与なし)：所得割 607万円 x 10％ ＋ 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 年額60.9万円 = 月額5.08万円
手取り61万円(賞与あり)：所得割 1020万円 x 10％ ＋ 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 年額102万円 = 月額8.52万円

所得税額を計算する

所得税については課税対象額ごとの税率と控除額が

となっています。

それぞれの月収ごとの所得税額を計算するとこのようになります。

額面で61万円(賞与なし)：課税対象額 370万円 x 20％ - 42.8万円 = 年額31.2万円 = 月額2.6万円
額面で61万円(賞与あり)：課税対象額 588万円 x 20％ - 42.8万円 = 年額74.9万円 = 月額6.24万円
手取り61万円(賞与なし)：課税対象額 601万円 x 20％ - 42.8万円 = 年額77.4万円 = 月額6.45万円
手取り61万円(賞与あり)：課税対象額 1010万円 x 33％ - 154万円 = 年額181万円 = 月額15.1万円

住民税と所得税の合計

住民税額と所得税額の合計はこのようになります。

額面で61万円(賞与なし)：住民税 37.8万円 ＋ 所得税 31.2万円＝ 年額69万円 = 月額5.75万円
額面で61万円(賞与あり)：住民税 59.7万円 ＋ 所得税 74.9万円＝ 年額135万円 = 月額11.2万円
手取り61万円(賞与なし)：住民税 60.9万円 ＋ 所得税 77.4万円＝ 年額138万円 = 月額11.5万円
手取り61万円(賞与あり)：住民税 102万円 ＋ 所得税 181万円＝ 年額283万円 = 月額23.6万円

母子家庭の扶養控除

続いて扶養控除がある場合の税金を計算してみます。

扶養控除額は住民税と所得税で違っていて、年齢ごとにこのようになっています。

子供の場合は中学生以下、高校生、大学生で分かれているようなイメージですね。

児童手当は2歳までは月額1.5万円、3歳から中学生までは月額1万円がもらえます。これは大きいですね。

たとえば高校生の息子、中学生の娘がいた場合、扶養控除が33万円になるので住民税はこのようになります。

額面で61万円(賞与なし)：所得割 343万円 x 10％ ＋ 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 年額34.5万円 = 月額2.88万円（2750円の差額）
額面で61万円(賞与あり)：所得割 561万円 x 10％ ＋ 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 年額56.4万円 = 月額4.7万円（2750円の差額）
手取り61万円(賞与なし)：所得割 574万円 x 10％ ＋ 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 年額57.6万円 = 月額4.8万円（2750円の差額）
手取り61万円(賞与あり)：所得割 987万円 x 10％ ＋ 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 年額99万円 = 月額8.25万円（2750円の差額）

所得税の場合は扶養控除が38万円になるのでこのようになります。

額面で61万円(賞与なし)：課税対象額 332万円 x 20％ - 42.8万円 = 年額23.6万円 = 月額1.97万円（6333円の差額）
額面で61万円(賞与あり)：課税対象額 550万円 x 20％ - 42.8万円 = 年額67.3万円 = 月額5.61万円（6333円の差額）
手取り61万円(賞与なし)：課税対象額 563万円 x 20％ - 42.8万円 = 年額69.8万円 = 月額5.81万円（6333円の差額）
手取り61万円(賞与あり)：課税対象額 976万円 x 33％ - 154万円 = 年額169万円 = 月額14万円（1.05万円の差額）

この場合の住民税と所得税の合計額はこのようになります。

額面で61万円(賞与なし)：所得税 19.6万円 ＋ 住民税 31.2万円 ＝ 年額50.8万円 = 月額4.24万円（1.51万円の差額）
額面で61万円(賞与あり)：所得税 59.7万円 ＋ 住民税 53.1万円 ＝ 年額113万円 = 月額9.39万円（1.82万円の差額）
手取り61万円(賞与なし)：所得税 62.2万円 ＋ 住民税 54.3万円 ＝ 年額116万円 = 月額9.71万円（1.82万円の差額）
手取り61万円(賞与あり)：所得税 169万円 ＋ 住民税 99万円 ＝ 年額267万円 = 月額22.3万円（1.32万円の差額）

また、中学生の娘については扶養控除はありませんが、児童手当で月額1万円＝年間で12万円もらえます。

中学生以下なら児童手当をもらえるので、保育園児・幼稚園児・小学生のお子さんがいる場合も同じです。

手取り額を計算する

月収61万円の場合の手取り額を計算するとこのようになります。

額面で61万円(賞与なし)：年収732万円 - 社会保険料 104万円 - 所得税 31.2万円 - 住民税 37.8万円 = 年額559万円 = 月額46.6万円
額面で61万円(賞与あり)：年収1000万円 - 社会保険料 142万円 - 所得税 74.9万円 - 住民税 59.7万円 = 年額724万円 = 月額60.3万円

高校生の子どもの扶養控除がある場合はこんな感じになります。

額面で61万円(賞与なし)：年収732万円 - 社会保険料 104万円 - 所得税 23.6万円 - 住民税 34.5万円 = 年額570万円 = 月額47.5万円（9083円の差額）
額面で61万円(賞与あり)：年収1000万円 - 社会保険料 142万円 - 所得税 67.3万円 - 住民税 56.4万円 = 年額734万円 = 月額61.2万円（9083円の差額）

月収61万円のサラリーマンのマイホーム購入

月収61万円で家を買おうと思った場合、どれくらいの住宅ローンを組むと良いかも計算してみました。

あまりお金を借りすぎると返済が大変ですし、最悪の場合せっかくのマイホームを手放さなければいけなくなってしまうかもしれません。

一方、あまり借入が少なくても満足のいく家に住むことができず後悔してしまうかもしれません。

そこで月収61万円の場合にどれくらいのローンなら組んで大丈夫か計算してみましたので、よろしければマイホーム購入の参考にしてください。

月収61万円のサラリーマンの住宅ローン借入額

月収61万円の場合はどれくらいのローンを組むのが良いでしょうか。

月々のローンの返済が手取り月給の25％くらいまで抑えられていれば良いかと思うので、その場合の住宅ローン借入額を計算してみます。

月収61万円の場合は手取り月給が46.6万円となるので、そのうち25％の11.6万円をローン返済に回すということであれば比較的安全に返済できるかと思います。

月々11.6万円返済のローン借入額

毎月11.6万円返済の場合、金利1.110％の35年ローンで計算するとローン借入額は4050万円となります。

月収61万円の場合、この金額までなら返済の負担をそれほど心配せずに借りても大丈夫かと思います。

月収61万円の場合の住宅ローン借入限度額

参考までに月収61万円のサラリーマンの借入限度額を計算すると7430万円で、この場合は月々の返済額が21.4万円となります。

住宅ローンについてもっと詳しく知りたいなら

月収を入力して計算することもできるので、違う年収の場合の住宅ローンの借入目安額を計算する場合はこちらも試してみてください。

まとめ

今回は月収61万円の場合の手取り、住民税、所得税の目安額や月収61万円の会社や住宅ローンを調べてみました。

なお、税金の金額が増えてくるとふるさと納税をするとお得です。

ふるさと納税を考えている方は 合わせてふるさと納税の上限額の計算の記事も参考にどうぞ。

収入や家族構成ごとの税金を計算

こちらから月収や家族構成などを入力すると税金と手取り額を計算できるので、良かったらこちらも試してみてください。