税金奉行の税金解説書
住民税

3人家族の場合の住民税はいくら?【2021年版の計算結果】

3人家族(子供1人)のサラリーマン家庭の支払う税金を計算してみました。専業主婦と高校生の子供がいて年収200万〜800万円の場合に、5000円〜38.4万円となります。 (2016/10/14)

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サラリーマンの住民税の計算の記事で住民税の計算をしましたが、 今回は3人家族の住民税を計算してみます。

給与所得控除を計算する

まず、年収ごとの給与所得控除額は

65万円まで 全額
180万円まで 収入 x 40%
360万円まで 収入 x 30% + 18万円
660万円まで 収入 x 20% + 54万円
1000万円まで 収入 x 10% + 120万円
1500万円まで 収入 x 5% + 170万円
1500万円以上 245万円

となります。

この表から年収200万〜800万円の場合の給与所得控除の額を計算します。

200万円 x 30% + 18万円 =  78万円
300万円 x 30% + 18万円 =  108万円
400万円 x 20% + 54万円 =  134万円
500万円 x 20% + 54万円 =  154万円
600万円 x 20% + 54万円 =  174万円
700万円 x 10% + 120万円 =  190万円
800万円 x 10% + 120万円 =  200万円
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社会保険料の支払額を調べる

厚生年金や雇用保険などの社会保険料も控除の対象となるので、社会保険料の支払額を調べます。

今回は年収の15%ほどだったとして目安額を計算します。

200万円 x 15% = 30万円
300万円 x 15% = 45万円
400万円 x 15% = 60万円
500万円 x 15% = 75万円
600万円 x 15% = 90万円
700万円 x 15% = 105万円
800万円 x 15% = 120万円

住民税の基礎控除は33万円

住民税の基礎控除は33万円となっています。

住民税控除の合計額を計算する

これまでの住民税控除の合計額を計算すると

年収200万円: 給与所得控除 78万円 + 社会保険料控除 30万円 + 基礎控除 33万円 = 141万円
年収300万円: 給与所得控除 108万円 + 社会保険料控除 45万円 + 基礎控除 33万円 = 186万円
年収400万円: 給与所得控除 134万円 + 社会保険料控除 60万円 + 基礎控除 33万円 = 227万円
年収500万円: 給与所得控除 154万円 + 社会保険料控除 75万円 + 基礎控除 33万円 = 262万円
年収600万円: 給与所得控除 174万円 + 社会保険料控除 90万円 + 基礎控除 33万円 = 297万円
年収700万円: 給与所得控除 190万円 + 社会保険料控除 105万円 + 基礎控除 33万円 = 328万円
年収800万円: 給与所得控除 200万円 + 社会保険料控除 120万円 + 基礎控除 33万円 = 353万円

となりました。

住民税の課税額を計算する

年収から控除額を引いて住民税の課税対象額を計算します。

200万円 - 141万円 = 59万円
300万円 - 186万円 = 114万円
400万円 - 227万円 = 173万円
500万円 - 262万円 = 238万円
600万円 - 297万円 = 303万円
700万円 - 328万円 = 372万円
800万円 - 353万円 = 447万円

住民税額を計算する

計算した課税対象額に税率10%をかけて、均等割5000円を足して調整控除を引くと住民税額が計算できます。

年収200万円: 所得割 59万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 6.15万円
年収300万円: 所得割 114万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 11.7万円
年収400万円: 所得割 173万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 17.6万円
年収500万円: 所得割 238万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 24.1万円
年収600万円: 所得割 303万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 30.6万円
年収700万円: 所得割 372万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 37.5万円
年収800万円: 所得割 447万円 x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 45万円

調整控除については計算がややこしいので詳しいことは省略します。

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配偶者控除がある場合の住民税

妻が専業主婦の場合などは配偶者控除があるので、住民税が安くなります。

住民税の配偶者控除は33万円なので、それぞれの年収ごとの住民税額は

年収200万円: 所得割 (59万円 - 33万円) x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 2.85万円   (3.3万円の差額)
年収300万円: 所得割 (114万円 - 33万円) x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 8.35万円   (3.3万円の差額)
年収400万円: 所得割 (173万円 - 33万円) x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 14.3万円   (3.3万円の差額)
年収500万円: 所得割 (238万円 - 33万円) x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 20.8万円   (3.3万円の差額)
年収600万円: 所得割 (303万円 - 33万円) x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 27.3万円   (3.3万円の差額)
年収700万円: 所得割 (372万円 - 33万円) x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 34.2万円   (3.3万円の差額)
年収800万円: 所得割 (447万円 - 33万円) x 10% + 均等割 5000円 - 調整控除 2500円 = 41.7万円   (3.3万円の差額)

になります。

扶養控除がある場合の住民税

子供が16歳以上の場合は扶養控除もあります。

控除額は16歳から18歳までが33万円、19歳から22歳までは特定扶養親族という扱いになって45万円になります。

要するに高校生は33万円、大学生は45万円という感じですね。

23歳以上はまた33万円になりますが、70歳以上の親族の場合は控除が増えます。 控除額は、同居していれば45万円、別居であれば38万円になります。

中学生以下の場合は児童手当があるので、扶養控除はなくなります。こちらは2歳までは月額1.5万円、3歳から中学生までは月額1万円がもらえます。

たとえば奥さんが専業主婦で、息子が高校生の場合、配偶者控除33万円と扶養控除33万円で合計66万円の控除になるので住民税は

年収200万円: 所得割 (59万円 - 66万円) x 10% + 均等割5000円 - 調整控除0円 = 5000円 (5.65万円の差額)
年収300万円: 所得割 (114万円 - 66万円) x 10% + 均等割5000円 - 調整控除2500円 = 5.05万円 (6.6万円の差額)
年収400万円: 所得割 (173万円 - 66万円) x 10% + 均等割5000円 - 調整控除2500円 = 11万円 (6.6万円の差額)
年収500万円: 所得割 (238万円 - 66万円) x 10% + 均等割5000円 - 調整控除2500円 = 17.5万円 (6.6万円の差額)
年収600万円: 所得割 (303万円 - 66万円) x 10% + 均等割5000円 - 調整控除2500円 = 24万円 (6.6万円の差額)
年収700万円: 所得割 (372万円 - 66万円) x 10% + 均等割5000円 - 調整控除2500円 = 30.9万円 (6.6万円の差額)
年収800万円: 所得割 (447万円 - 66万円) x 10% + 均等割5000円 - 調整控除2500円 = 38.4万円 (6.6万円の差額)

となります。

子供が中学生の場合は扶養控除はありませんが、児童手当で月額1万円=年間で12万円もらえます。

児童手当は中学生以下ならもらえるので、保育園児・幼稚園児・小学生のお子さんがいる場合も同じです。

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所得税と住民税を足してみる

所得税の計算の記事を参考に、所得税と住民税の合計額を計算するとこのようになります。

年収200万円:所得税 2.70万円 + 住民税 6.15万円 = 8.85万円
年収300万円:所得税 5.45万円 + 住民税 11.65万円 = 17.1万円
年収400万円:所得税 8.40万円 + 住民税 17.55万円 = 25.95万円
年収500万円:所得税 13.55万円 + 住民税 24.05万円 = 37.6万円
年収600万円:所得税 20.05万円 + 住民税 30.55万円 = 50.6万円
年収700万円:所得税 30.65万円 + 住民税 37.45万円 = 68.1万円
年収800万円:所得税 45.65万円 + 住民税 44.95万円 = 90.6万円

配偶者控除がある場合

配偶者控除がある場合の所得税と住民税の合計額はこのようになります。

年収200万円:所得税 8000円 + 住民税 2.85万円 = 3.65万円
年収300万円:所得税 3.55万円 + 住民税 8.35万円 = 11.9万円
年収400万円:所得税 6.50万円 + 住民税 14.25万円 = 20.75万円
年収500万円:所得税 9.75万円 + 住民税 20.75万円 = 30.5万円
年収600万円:所得税 16.25万円 + 住民税 27.25万円 = 43.5万円
年収700万円:所得税 23.15万円 + 住民税 34.15万円 = 57.3万円
年収800万円:所得税 38.05万円 + 住民税 41.65万円 = 79.7万円

詳しくは配偶者控除の節税額の計算の記事もご覧下さい。

子供が中学生以下の場合

子供が15歳以下(保育園児、幼稚園児、小学生、中学生)の場合は住民税&所得税の扶養控除はないので、税金の金額は変わりません。

ただ、代わりに児童手当がもらえます。

児童手当の金額は子供の年齢や何番目の子供かで変わってきます。

詳しくはこのようになっています。

0〜3歳未満 15,000円
3歳〜小学校修了まで(第1子、第2子) 10,000円
3歳〜小学校修了まで(第3子以降) 15,000円
中学生 10,000円

また、児童手当には所得制限があって、 奥さんと子供を扶養している場合は年収917.8万円以上の場合に給付額が5,000円になります。

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子供が高校生の場合

配偶者控除に加えて、高校生の子供の扶養控除がある場合の住民税と所得税はこのようになります。

子供が23歳以上の場合も同様です。

年収200万円:所得税 0円 + 住民税 5000円 = 5000円
年収300万円:所得税 1.65万円 + 住民税 5.05万円 = 6.70万円
年収400万円:所得税 4.60万円 + 住民税 10.95万円 = 15.55万円
年収500万円:所得税 7.85万円 + 住民税 17.45万円 = 25.3万円
年収600万円:所得税 12.45万円 + 住民税 23.95万円 = 36.4万円
年収700万円:所得税 19.35万円 + 住民税 30.85万円 = 50.2万円
年収800万円:所得税 30.45万円 + 住民税 38.35万円 = 68.8万円

子供が大学生の場合

子供が大学生(19〜22歳)の場合はこのようになります。

年収200万円:所得税 0円 + 住民税 5000円 = 5000円
年収300万円:所得税 4000円 + 住民税 3.85万円 = 4.25万円
年収400万円:所得税 3.35万円 + 住民税 9.75万円 = 13.1万円
年収500万円:所得税 6.60万円 + 住民税 16.25万円 = 22.85万円
年収600万円:所得税 9.95万円 + 住民税 22.75万円 = 32.7万円
年収700万円:所得税 16.85万円 + 住民税 29.65万円 = 46.5万円
年収800万円:所得税 25.45万円 + 住民税 37.15万円 = 62.6万円

まとめ

今回は3人家族の住民税を計算してみました。

4人家族の場合の住民税5人家族の場合の住民税も計算してみたのでよろしければそちらもご覧ください。

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